二人の未知〜X'mas短編
第1章 エピローグ
「‥‥奈美は?
ちょっとは進展あったのか?
片想いのヤツと…」
トオルは台所でケーキ皿を用意してる奈美に聞く
「進展?‥‥
わかんない‥‥‥
でも、ちょっとは進展した気がする‥‥‥かも。」
「──‥そ‥っか…
よかったじゃん…」
奈美の言葉を聞きながらトオルは目を伏せた‥
‥なんだ‥‥‥
俺の出る幕は無し‥か…
「‥うーん、いいのかな…よく解んない。
好き過ぎて自分でどうしていいか解んないんだよね‥」
「‥‥へ‥ぇ…
そんな好きなんだ…」
‥奈美‥いいよもぅ…
それ以上ゆうなよ!!
背を向けてる奈美の後ろ姿が微かにボヤける‥
返事を返しながらも胸が締め付けられ、トオルはこの状況に限界がきていた──
「トオルも少しはケーキ食べるでしょ?」
奈美はトオルに確認をとる
「いや‥俺は要らない‥」
「食べない?‥じゃあケーキは明日食べようかな」
奈美はケーキを箱に戻しプリンを手にとる。
そして、プリンを食べながらトオルに話しかけた
「トオルさぁ‥
後悔してるなら今のうちだと思う‥」
「‥‥何が?」
「後悔してるって顔だよ‥
彼女と別れたこと‥」