I'll be with you.
第10章 大学生活
高速に乗って、広々とした道路を車は走り抜ける。
懐かしい夏の曲を聴きながら辺りの景色を眺める。
『ずっと思ってたんだけどさ、
これってレンタカーじゃないよね?
心の車なの?』
「そうだよ。買った」
『こんな8人乗りのワゴン車を!?
モデルって儲かるのね〜』
「一人暮らししてたわけじゃなかったし、
自分で働いた分の金は全部小遣いになってたからさ。
あの頃は欲しいものもなかったし、
ただ貯めてたらすんげぇ金額残ってたから使った」
『……もっと小さいのでも良かったでしょ…』
未来は車内を見渡しながら、苦笑いしていた。
「こいつらが乗ると思ったからデカいのにしたんだ。
これぐらい大きくないと壊されそうだからな」
「「おい、コラ」」
運転席で運転する心
助手席には優
もうこれは絶対の定位置になりつつある。
そして……
俺の席だった2列目の助手席の後ろは未来に譲ることにした。
自然な流れで俺が3列目を一人で占領することになっていた。
後ろから見る、幸せそうな四人
俺は黙ってみんなの会話に耳を傾けた