I'll be with you.
第13章 本当の自分
minaは俺に見向きもせずに、1人自販機に文句を付けている……
何やってんだコイツ……
『ミルクティー120円って!
こないだまで110円だったでしょーが!!』
「……」
『いつ値上がりしたのよ!!』
「4月の増税からだろ……」
minaは俺の声に、すごい勢いで振り返ってすごい剣幕で俺を睨んできた。
『……だ、誰よ…あんた……』
「いや、それ俺の台詞だし。
あんたこそ自販機に向かって何してんの……」
俺の質問にminaは顔をりんごみたいに真っ赤にした。
その一連の流れが優に似ててなんだか面白い。
「本当に優に似てるな。
心の気持ちがわかるわ」
『優って……
あなた心の知り合い……?』
あ……やべ
なんかまずかったかな……?
「俺行かなきゃ!」
よくわからないけど、面倒なことになる前に……!
退散!!
足早にその場を去ろうとするけど、目の前の自販機を見てさっきのminaの行動がフラッシュバック。
「mina!」
俺は10円を出してminaへと投げた。
「それでミルクティー買え!」
ただ、呆然と俺を見つめるminaに俺は軽く手を挙げてその場を去った。