I'll be with you.
第14章 全員集合!
さっきからみんなの視線が痛い……
まさか心君が待ち伏せしてるなんて思わなかったし…
『心君……
本当に公言してよかったの…?』
心君の迷惑になるんじゃないかって不安がつのる。
すると心君は飲んでいたコーヒーを、ん!と言って渡してきた。
私はそれを受け取って、残り少ないコーヒーを飲み干した。
「やっと自由になれたんだ。
高校生の時みたいにずっとみんなで過ごしたかったんだ。
それが叶って俺は嬉しい」
太陽に照らされてキラキラ光る心君の笑顔にキュンと胸が高鳴った。
『芸能ニュースにも出るくらいスゴかったもんね……』
そう、先週放送されたあの生放送は瞬間最高視聴率30%を超える程だったとか……
それだけではなく、心君の過去に感動の涙を流した人も多く、心君の人気はまたしても世界中に広まる結果となった。
「俺はもう人気もなくなって、
一生コソコソして生きてく覚悟でTVに出たんだけどな」
『……私、家で何十回も録画で見てその度に大号泣だよ!
カナもウルウルしながら見てるし……』
心君の過去についてはあえて聞いていない。
聞かなくても心君が心君であることには変わりないし、
何より、心君のご両親は誰がなんて言おうとあの優しいお母さんとお父さんなんだから……
「待たせたなー!」
「責めるならコウな。
俺はコウを待ってただけだから!」
なんだか、高校生に戻った気分……
「ほら、行くぞー
未来が待ってんじゃねーの?彼氏くん」
「ハッ!!大変だ!!」
私達は昔のように並んで歩いた。