I'll be with you.
第16章 折りたたみ傘
『亜美ッ!!返事して!!亜美ッ』
微かに開いた扉から中にいる亜美に声をかけても返事はない。
中に入りたくてもガムテープで固定されている扉は私の力では開かなくて……
アパートの下で待たせている二人に助けを求めた。
『光輝ッ!!!助けて!!!亜美がッ……!!』
光輝と優ちゃんはすぐに階段を駆け上がってきてくれた。
「どうした!?」
『ガムテープがついてて扉が開かないの!!』
「……この臭い…ッ」
『△△アパート202号室のッ────』
優ちゃんはすぐに救急車を呼んで、隣の部屋の人達に助けを求めた。
光輝は強引に扉をこじ開けて、すぐに中に入ってガス栓を閉めた。
ガムテープで密封された窓を光輝が急いで開けた。
私は、ワンルームの狭い部屋に横たわる亜美に駆け寄った。
よかった……まだ意識がある……
『光輝!亜美を窓の方へ!!!早く!!』
……それからしばらくして救急車と警察が来て
光輝は警察の事情聴取を
私達は救急車に乗って病院へ付き添った。