I'll be with you.
第18章 偽り
俺の胸に顔を埋める優の、途切れ途切れに言葉を紡ぐこもった声。
『……心君、お願い…………
カナの病気を教えて……ッ…
私だけ知らないなんて嫌だよっ!!』
……カナ、
約束守れねーわ……
「……カナの病気は
閉塞性肥大型心筋症。
全身に血液が十分に送られなくなるんだって……
脳に流れる血液も減少してめまいとか立ちくらみなんかもする病気……
そして、発作を起こせば
亡くなる可能性が高い病気なんだ……」
『…ほっ…さ?
……死ぬって……?』
優の大きな瞳は俺を捉えてゆらゆらと揺れていた。
『……やだッ…!!!…っ…カナ……ッ!! カナッ……!!』
中に入ろうとドアや壁を何度も叩く優を必死に押さえた。
「優…ッ」
『……カナがいないとヤダ…よ…ッ!!!』
《 ……心…頼みがある…… 》
…カナ………
『カナッ…!!!』
《 優を頼む 》
「……っ!!!
いい加減にしろ!!!」
俺の声にビクッと体が反応した優は、我に帰って急にその場に崩れた。