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「……カナ…」



伏せていた顔を上げて、弱々しく呟いた心に視線を向けて精一杯の笑顔で笑った。



「心、俺すんげぇ嬉しいことがあったんだよ」



高１の頃



テストが終わった開放感に満ち溢れた帰り道



心は俺に言ったよな。



だから、俺も心に伝えたい。




「俺さ、また人を好きになれたんだ」





時間がかかったけど



やっと見付けたんだ。




「お互いに感謝しようぜ。


心は俺のおかげで優と仲良くなれただろ？


俺は心のおかげで陽に出逢えた。


俺は陽のおかげで本当の自分を見付けたんだ」




俺は橘 奏斗だから。



もう、大丈夫