I'll be with you.
第22章 役目
*優side*
『カナー?起きてよー』
「……」
『…カナ?生きてる?』
「………」
『……。』
ポケットから携帯を取り出して、すぐに電話をかけた。
PRRRRRR…PRRRRRRR……
『……!もしもし!
朝起きたら兄が起きなくて…ッ!!
はい、住所は────』
「ちゃんと起きてるって!!!
救急車なんて呼ぶな!!」
『そんなのわかってるし。
早く起きてよね』
掛け布団を剥ぎ取って、カナと軽い口喧嘩。
「優!それはセコいぞ!!」
『何よ!!起きない方が悪いでしょ!』
そんな言い合いを、電話越しで聞いていた彼は全く状況を把握できていない。
《……え…なに、これ。
……なんで俺起こされたの?
…カナ救急車で運ばれたの…?
…え……?》
『心君ごめんね!
また後で!!』
《…は…?
ちょっと待ってどーゆうこ──…プー…プー…》
起きたばっかの掠れた声の心君を起こすだけ起こして一方的に電話を切った私はカナをベッドから引きずり下ろして朝食を食べさせたのだった。