I'll be with you.
第6章 祭り
俺の胸ぐらを掴んでいた手がゆっくりと解かれた。
「コウは頭が悪いんだったな……」
……は?
それいま関係あるか?
「正直コウがここまでガキだったなんて思わなかった」
「は?」
カナからの暴言に無性にイライラする。
わかんないならわかるまで考える
俺は間違ってるのか……?
「コウがそんなんなら……
未来は俺がもらう」
……カナ?
カナが未来を……?
「お前は優が好きなんじゃなかったのかよ……」
ずっと優の傍にいて
ずっと優を見守ってきたはずだろ……?
「今の恋を諦められるのは次の恋をすることだ。
未来となら俺は俺でいられる気がする。
兄でもカナでもなく、奏斗に」
カナは俺に背を向けて、出店の方へと歩いていく。
「お子ちゃまに、あんないい女もったいねぇよ
じゃあな」
そして、カナは人混みの中へと消えていった。