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愛花さんの余裕のある綺麗な顔が徐々に歪んでいった。


「課長は…陰で後輩をイビるような女性は好きになるどころか


嫌いでしょう。」



幸太の発言に愛花さんは何も言い返しては来なかった。


悔しそうな顔をしてその場を離れて行った。




「何だか大変な人と付き合っちゃったね？」


幸太が苦笑いする。


「...うん。」


好きになってしまったものはどうしようもない。



愛花さん…早く本社に戻ってくれないかなぁ…。

課長と付き合っているうちはずっと悩まされそう…。



愛花さんが課長のことをまだ好きなら…
ちゃんと課長に振ってもらわないと。


曖昧な態度で接することのないように
慎也に言わなきゃ…。


仕事で繋がっていて

ワンちゃんで繋がっていて…



二人を完全に引き離すことは無理なのかな？



慎也が愛花さんとの思い出を
少しでも多く捨ててほしいのに。


こんなに近くに居たんじゃ…


二人の思い出は増えていくばかりだ。




そんなことを思いながら
ようやく慎也が帰って来る日曜日を迎えた。