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夜が明けても傍にいて。

第16章 泣いていた君

「慎也?どうしたの?ぼーっとして…。」


莉菜が俺の顔を覗き込んでいた。
俺を心配するその顔でさえ可愛くてたまらない。


「莉菜…おいで…。」



俺は莉菜を膝の上に乗せた。
後ろからぎゅうっと抱き締めると莉菜が顔だけ振り返る。


「慎也?何考えてるの?

何か変だよ?」





「莉菜のことを考えてるんだ。
莉菜が可愛くて可愛くて仕方ない。」


俺がそう言うと莉菜は頬を真っ赤に染めた。






「莉菜…愛してる。」


この気持ちだけは信じてほしい。



「…。」



莉菜は何を言われたのかわからないのかきょとんとしている。



「愛してる…?」



「あぁ、愛してるよ…。」





「...嬉しい。」


ようやくにっこり笑って俺の胸に顔を埋める莉菜。




こんな出逢いだったけど
今はこんなにも莉菜を愛しているよ…。




こんな俺を





どうか許してほしい。








その夜俺は壊れるほどに莉菜を抱いた。


そして俺達は…初めて二人で朝を迎えた。





二人で朝を迎えたい…


そう思っていたのは俺も同じだった。

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