夜が明けても傍にいて。
第27章 私の知らない過去
夏が終わろうとしていた。
あれから慎也は特に変わった様子も無くて、あの寂しそうな表情は私の思い違いだったんじゃないかな…
そう思い始めていた。
結婚式は来年の6月にしようと話し合い、式場選びを始めていた私達。
全てが順調だった。
彼女に会うまでは…。
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ある日、仕事を終えて帰ろうとした時
慎也からメールが届いた。
“これから友人に会うことになったから飯は食べて帰る。急でごめんな。”
---慎也の友人…。
どんな人だろう…。
私は何故か胸騒ぎがした。
だけど---
それに気付かない振りをして美穂を誘って飲みに行った。
一人だと余計なことを考えてしまいそうだったから…。