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夜が明けても傍にいて。

第32章 番外編①

俺は背中を向けているが、俺の耳は莉菜と莉菜に話し掛ける奴らの声だけを拾っていた。


莉菜の向かいには先月出くわした“あきちゃん”が座ってやがる。


莉菜が着ていた可愛らしいワンピースを家を出る前に脱がせてパンツスタイルにさせて良かった。


それでも俺からすれば莉菜の可愛さは全く衰えないが。



高校時代の莉菜の友達。
俺の知らない莉菜をコイツらは知ってやがる。


なんか…それだけで悔しい感、満載なんですけど…。


俺の知らない莉菜のことが聞けるのは
嬉しいやら悲しいやら…。


いや、切ないね…。





「莉菜ちゃん、可愛くなった…っていうか綺麗になったね。」


あきちゃんじゃない男が莉菜に話し掛ける。



---誰だ、お前。

鼻の下伸ばしてンじゃねーよ。



俺は見えないソイツの顔を声のトーンからイメージして心の中で毒づいた。


「なぁ、あき…

逃がした魚は大きいってこのことだな?」


「俺は逃がした覚えは無いんだけどな…。」



!!!




---今のセリフ、聞き捨てならねー。




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