夜が明けても傍にいて。
第39章 番外編⑧
月日は流れ---
幸美がもうすぐ3歳になる。
もちろん、慎莉君も。
北崎家で今日も4人…いや、6人で集まっていた。
「慎莉君、どんどん課長サンに似てくるわね?」
「でしょ?既にイケメン♪」
「幸美は私似でしょ?」
「うん、既に美人♪」
美穂と莉菜ちゃんはいつも同じ会話をしている。
「ねぇ、慎莉君、パパとママどっちが好き?」
慎莉君と幸美がおもちゃで遊んでるところに美穂が声を掛ける。
「ママぁー♪」
慎莉君、即答!
キッチンで料理を作ってくれている北崎課長の右手から菜箸がポトリと落ちた。
誰も拾ってくれないそれを寂しそうに拾う課長。
心中お察し申し上げます…。
慎莉君が莉菜ちゃんママのことを大好きすぎて、最近は、ゆっくり料理も作らせてもらえないそうだ。
莉菜ちゃんママがキッチンに立つと足元に絡みついて駄々をこねるらしい。
俺からすれば慎莉君は、どんな態度をとればママが喜んでくれるか充分理解しているように見える。
将来どんなやり手イケメンになるのだろう…。
恐るべし、北崎Jr.!