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さっきまでの
雨が嘘のように上がった
湘南の風を感じて

三人は、降りた。


蘭子は、ガタガタと震え
顔面が蒼ざめている


「ルイ！お前なに考えてんだよ
蘭子さんは、まだ無理だろ」と

綾人が言う。。口が滑る



「ねぇ、、、なんで？知ってるの？」と蘭子が小さく言う。



「蘭子。私たち、全部知ってるの
貴女が大切だから。。護りたいから前に進む勇気を持って欲しいから」


ルイは、後部座席の蘭子の手を握りながら車から降ろそうとした。


蘭子を囲む
綾人、翔太、ルイ。


「今日わね。蘭子の過去を塗り替える日なの。嫌な事は、四人で分かち合うの、それから、私達は、四人で
前進するのよ。今日この場所から」

ルイが落ち着いた口調で話す。

蘭子が、ルイを見上げながら
大粒の涙を流して言う

「わかってる！いつだって、、、
いつだって忘れようとしてるよっ！
でも、、、進まないの！進まないのよっ。。あの日から。。この場所から。。ずっとね、この胸の奥に。。」

顔をしわくちゃにしながら
胸の部分に拳を打ち付けた。


ルイが、、、「蘭子。あの人ね、あなたを捨てて、会社令嬢と結婚したんだよ。。。」

背中を向けて
話すルイ
鞄を胸に抱えていた。


「お前！なんで？それ？いま？」
翔太と綾人が、ハモル。

蘭子が、、、、「みんな。知ってるんだ。。」


「え？！なんで？蘭子。知ってるの？」ルイが驚いて近づいた。


車から出て
両腕を
うーんと伸ばし
蘭子は、振り返りながら
たくさんの涙を流しながら
三人目掛けて


「ずっと。。わかってたの。誕生日の日もクリスマスも。。あの終わる時も、、、ずっとわかってたの。
うん。だからね、、あの人の寂しそうに笑う顔も、みんなっ」


蘭子は、小さい子供が涙を拭く様に
拭いながら


「あたしね、実家お金持ちぢゃないから。彼が幸せにっ、、、なるなら
あたし平気な筈なの。。だから」



綾人が、言う



「言わなくていい。聞きたくねーよ。」



タイヤを蹴る。


翔太は、ボンネットを叩く
ルイは、蘭子を抱きしめ


海辺へ


歩き出す


後から、二人も着いて行く。。