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家から高校までは自転車で10分。

始業時間まで後15分。

全く持って余裕はない。


「じゃあ自分で自分の自転車漕げよ」

あからさまにその苛立ちを顔に表し、むぅは蘭を荷台から降ろそうとする。

だが、蘭も遅刻したくないと必死だ。


ここから歩けば、学校までは30分近くかかる。

なぜ蘭が自分で自転車を漕がないかと言えば…

「私が必死に自転車漕いでもランニングのおじさんより遅いの、むぅも知ってるでしょ⁈ 」


「ぶっ…」

度々見掛けるその光景を思い出し、むぅは思わず噴き出した。