
地下病棟の秘密
第13章 カップルシート
絢子「…あれっ」
涼「わかった?ここだけなんだ」
絢子「…」
涼「ほらっ、みんなの邪魔になるから席
座ろう」
絢子「あ…」
一見すると
普通の映画館だったが
場内に入ってすぐその違いに気づいた
それは…
絢子「カップルシート?」
涼「そっ、ほらっ早く隣座って」
絢子「うんっ」
二人掛けの
少し大きめなソファー
隣のお客さんとの距離も離れていて
上映が始まればそこは完全に二人の世界
だった
絢子「…」
涼「そんな離れて座るなよ、せっかくの
カップルシートなんだからさ」
絢子「そうだけど…あ」
肩を抱きよせ
自分の方に引き寄せる涼
人目を気にし離れようとする絢子だった
が…
絢子「ダメだって…」
涼「大丈夫、上映が始まれば暗くなって
見えないしみんなだって…」
絢子「…ンッ」
涼「考えてる事はみんな一緒だよ」
絢子「…ぇっ…!?」
