
地下病棟の秘密
第8章 弟の苦悩
絢子「じゃあ夜に…」
祐樹「また」
絢子「…」
いいのか悪いのか
祐樹と夜の散歩に行く事になった絢子
別に自分と涼は恋人ではない
だから別に
別に…
絢子「…」
看護師「先生、この薬ですけど」
涼「どれ」
絢子「天野先生…」
涼「橋本、ちょっと待ってて」
看護師「はい」
絢子「…」
涼「絢子、どうした?」
絢子「あの…別にたいした事じゃないん
ですけど」
涼「?」
絢子「私…」
別に言う必要はない
だけど涼の反応を見たかった
自分が他の男と患者として入院している
弟の祐樹と夜の散歩に行く事を
涼はどう思うのか
少しは嫉妬してくれるのか
それとも…
絢子「私、今夜祐樹さんと散歩に行く事
になったの」
涼「夜に散歩?祐樹と?」
絢子「うんっ…」
