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未成熟の誘惑

第12章 case

「君のドアを開けたい」



「無理なのだ」



「無理なことは知ってる。知っていた。だから」



「全部あなたの言うとおりになんかならないよ」



「信じない。僕はまだ信じない」



「諦めて」



「無理だ。もう、無理なところに来てしまった」



「遅いの」



「時間ならいくらでもある」



「やめて。あなたの愛が、私を傷つけるのだ」



「そうか」



包丁を捨てる



こんなものは始めからいらなかった



本当に



別れるくらいなら



出会わなければよかった



もう



もう



既に屋台は閉まりかけて



白い駒は進めない

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