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未成熟の誘惑

第7章 caseにねんせい

「あのー」



玉座を訪れる、一人の女性



髪は長く後ろに縛り、白衣を纏っていた



「君は誰だ?」



「えっと、ラスボス。裏ラスボスでもいいや」



「消えてくれ」



杓子定規を振りかざした



消えない



「私にはきかないの?」



「もう聞いた」



「嘘が下手なんだから」



マスターは笑う



百点の笑顔だった



殺戮者は一瞬にして、赤子のように小さくなる



「何故、きた」



「辛いんだなぁって、思ったから」



「辛くない」



「ほら、私が一本加えて、辛さを幸せにしてあげるよ」



「君は」



「そうだよ。私だよ」



涙が流れる



何に対して泣いているのか分からない

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