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星も、パンも

第9章 パンは、目の前が揺らぐ…



「はぁ…はぁ――――…双子…」



「………軽い気持ちで――…

男に“惚れた”とか言うな―

この程度のキスで――――…

役なら役らしく――――…
演じろよ――…この、大根…



仕事以外は―――…


香水のキツイ女と遊べ…


演技、下手くそでもいいが…白川ヒロの…足は引っ張るなよ?勘違い野郎」





俺は、松本の強く捕まれている腕を振り払い…


嫌そうな顔で唇を制服の袖でグッと拭き…



二度と顔見せんな……と…

眼鏡を直しながら…睨み付け…



その場を去った―――――…



松本の…声がしたが―――…




俺は振り返らなかった――…








俺は…



崩れそうな足を必死にこらえ―――――…



歩き続けた――――――…








あんなキスをするなんて――…



松本に腹が立ったとは言え…



あんな熱いキスを自分ができるとは―――――…




思わなかった―――――…




ミー助でもない―――…



石丸さんでもない―――…






なぜ……出来たのか――…





俺は、ハッと―――――…


歩く足が止まった―――…







“最終的には…くっつく展開?じゃないっすか?”









この…セリフに――――…



俺のミー助センサーが反応したのだろう?




石丸さんの時のように――…






間接的に…また…ミー助に欲情していたのかもしれない…





俺は―――――――…



叶わぬ…愛を―――――…


捨てることなんて…出来ない――――…





ミー助…


ミー助―――――…




ミー助―――――――…




俺は…お前と―――…
あんなキスがしたい―――――…








好きだ――――――…



ミー助…







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