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星も、パンも

第7章 パンは…苦しくて泣く…

松本剛は…まじまじと俺を見て……



「…究極の……そっくりさん?…にしては…似てるだろ……」




俺は、メガネを外し…


松本を見る――――――…


「……俺…”白川 ヒロ”の…双子の兄貴です……

似てて…当たり前です―――――――【兄弟】ですから」







自分で言って……
【兄弟】って単語に……



胸が締め付けられる――…



驚いて…一瞬止まっていた涙が……



ハラハラと―――――…


再び流れる―――――――…



駄目だ……







「……お前…え――――…」




俺は…松本を見つめたまま…




涙だけを流す――――…




松本は…一瞬…驚き……


焦ったのか…



地味なパーカーに…俺を抱き寄せた!



力強い…腕で…抱き寄せられ!!!!戸惑った俺だったが―――…







今の俺は――――――…




泣くことを…止められない…





「……ぅ…う゛っ…う…」







松本は……
黙って俺を抱きしめ続けていた…








ミー助でもない…



石丸でもない…





知らない…匂い…




俺は…
苦しくて…切なくて…




泣く―――――――――…




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