失恋少女のアバンチュール
第4章 海のハプニング!
樹さんの案内で少し歩いたところに自分たちの荷物があることに気づく。
本当に真逆に歩いてたんだ、私…。恥ずかしいっ…!
「樹さんは、泳いできますか?私、ちょっと疲れちゃったからパラソルの下で休みます。」
「千晴ちゃん行かないの?なら、俺もここにいるよ。さっき怖い思いさせちゃったからね。」
「え、でもあれは樹さんのせいじゃないのに!」
「俺が待ってないで先行っちゃったのが原因だよ。だから、俺が悪いの。」
お互い譲らないまま、その内に目が合うと笑いだしてしまった。
不意に樹さんの手が、私の方に伸びてくる。肩を捕らえると引き寄せられて、お互いがくっつく形になる。
肩に自分の肩を寄せていると髪を撫でながら優しい声が上から降ってきた。
「ねぇ、どうして1人で旅行に?グアムは誰かと来た方が楽しいと思うのに。」
「……あの、彼氏に浮気された上に…捨てられちゃって。傷心旅行のつもりで来たんです。」
再び渉の事を思い出してしまい、視界が歪み始める。そんな目元を樹さんは指先でなぞってきた。
「辛いこと思い出させちゃったね、ごめんね。」
「いえ、逆に言えてスッキリしました。」
「ん〜……よし!千晴ちゃんがこっちにいる間は、俺が出掛けるのも付き合うよ。それでどう?」
「どうって………樹さんはお仕事もあるんじゃ?」
飛行機での彼はスーツを着ていかにもサラリーマンな感じだったのに、仕事は無いのだろうか。
彼は何処かにメールを送ると私に笑顔を向けてうなずいた。
「今、千晴ちゃんがこっちにいる間は休むって伝えたから大丈夫だよ。」
そんな簡単な理由で休めるのかな?彼の力は一体……?
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