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君の隣の相棒さん、

第50章 ワガママな温もり(神大S)

「大河内さぁーんっ」



神戸が大河内を呼んだ。



「何だ」



大河内が神戸に応える。
神戸が大河内に抱き着くと大河内はそんな神戸を抱き締める。
その二人の姿を羨ましそうに見詰める、彼女。



「おいで、」


「さぁ、」



二人が手を広げて彼女が飛び込んで来るのを待っている。
そっと近付いた彼女は二人に腕を引かれて真っ白なシーツの上に腰を降ろした。



『‥‥‥ズルい』


「もぉー、そんな拗ねないでよ、ね?」


「嫉妬、か」



彼女の腕に腕を絡める神戸。大河内がそういうと彼女はムッとした顔になる。
冗談だ、と頭を撫でる大河内に彼女はふわりと笑う。



「あー、俺にはしてくれないのにぃー」


『尊には私から、ね?』



優しく柔らかい髪を撫でる彼女に神戸はちょっぴり恥ずかしそうに、でも嬉しい気持ちを全面に出しまるで子供のように喜んだ。



「じゃあ、お返しね」



口元に笑みを浮かべた神戸は彼女の頬にキスを落とす。
すると今度は大河内がムッとした顔になって二人を見ていた。



『では、春樹さんには私から‥』



頬にキスを─────と思いきや、唇に唇を合わせた彼女。
今度は神戸がムッとした顔になって二人の間に入った。



「俺も混ぜてっ」


『尊って、時々子供っぽいとこある‥』


「我慢を知れ、神戸」


「んー…無理っ!」



三人で倒れ込んだベッド。レースのカーテンがやわらかな日差しを送り込み、三人を照らす。
何処か嬉しそうにしている三人は彼女を中心とし、左右に大河内と神戸でサンドイッチ。






─────これは、同期三人のとある非番のお話。

感じる温もりに身を寄せ合いながら、今日も甘い甘い一日を過ごす三人だった。


(ワガママな温もり)

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