恋してキスして抱きしめて
第23章 もう一度、あの場所から
「……………!!!」
………白と、オレンジ色の照明が輝いて
ピアノの美しい旋律が、夏の夜風に乗って体を包み込む。
私の前に立つ、ものすごい数の人が
拍手をしながら見つめる、野外ステージの上に……
「……ユーリさ……ん……?」
レーザーライトの照射が眩しくて、一瞬目を閉じてしまったけど
金色のハッピをきた男の人と、すれ違う形で
中央のマイクを持った、その人は間違いなく………
「千夏ちゃん、もう少し前にいくよ」
「…………!」
「他の皆が陣取ってるスペースがあるから。
あたしの手、離さないでね」
ヒカルさんは人を掻き分けながら、ずんずん前に進んでいく。
あたしは言われた通り、その手をしっかり握りしめて、震える足をなんとか動かした。
………ステージが近付くにつれて
彼の姿がだんだんとハッキリ見えてくると
もう、胸が爆発してしまいそうで
熱い何かが、心の奥からこみ上げてくる。