仮彼氏。
第9章 ピンチ。
今なんつった!!?
コーラ吹いたし…
「抱いて、お願い」
「ち、ちょっと待て
お前自分が何言ってるか分かってんのか!?」
「分かってる」
俺がこんなに取り乱してるのに、黒田はなぜか冷静だった
「抱いてとかそんな簡単に言うなよ…」
「……」
黒田が俯いて唇を噛む
そんな、簡単なことじゃねーだろ……
「俺、やっぱ帰…」
「お願いだからっ…!」
「黒田…」
バッと顔を上げた黒田の目には、涙が浮かんでいた
「もうやだっ…
まだ手の感触とか残ってておかしくなりそうなの…!」
「っ…」
黒田は、俺が思ってた何倍も傷付いていた
当たり前だろ…
あんなことされて大丈夫なはずない……
俺、やっぱり馬鹿だ。