仮彼氏。
第9章 ピンチ。
―30分後―
「…ただいま」
「お、おかえりっ…!?」
帰ってきた黒田を、思わずガン見してしまった
なぜなら…
「ちょ、何だよその格好!?//」
「だめ?」
大きめのワイシャツのみを着た黒田が首をかしげているから。
男のロマンをそんなあっさりと……
「どうせ脱ぐんだしいいじゃん」
「いやでも…っていうかそのシャツどうしたんだよ?
男物っぽいけど……」
「お兄ちゃんの」
こいつ兄貴いたのか…
「…で、なんでその格好?」
「しつこいなぁ…
……倉内が喜ぶと思ったの!//」
「……………へ?」
俺が喜ぶと思った…???
「もういい!
早くお風呂入ってきて!!」
「ご、ごめんなさい…」
背中をぐいぐい押されて、風呂場に連れていかれる
「バスタオルとかは用意しとくから」
「あ、あざーす…」
バタンッ
思いっきり閉められた洗面所のドアの向こうから聞こえる、大きな足音
「なんで急に不機嫌…」
黒田の感情の起伏の激しさに溜め息を吐きながらも、なぜか俺はドキドキしていた