仮彼氏。
第12章 センセイ。
「…ぷふっ」
笑いを堪えきれていない姉貴にイライラしつつ、さらに言葉を続ける
「…本当に、本当に好きなんです
一生守ります!絶対幸せにします!」
想いの全てをぶつけたいのに、ありふれた言葉しか見つからない
けど、これが俺の本当の気持ちなんだ! 伝わってくれ…!!
「…銀君、顔を上げて」
厳かで温かい声
言われた通り顔を上げると、千晴のお父さんはにっこりと微笑んでいた
「千晴は、たった一人の娘だ
大切に育ててきたし、もちろんこれからも千晴は私たちの宝物さ」
「お父さん…」
千晴が目に涙を浮かべる
「それに、この世に絶対なんてものは存在しないと思う
…いつ気持ちがかわるかなんて誰にも分からないしね」
「っ俺は…!」
「…けど」
いつまでも千晴を愛し続ける
…という俺の言葉を、千晴のお父さんが遮った