手探りな絶望
第5章 寺田
仕方ねーよな
俺に
どうこう言う資格なんて
ねーし
親かも
しんねーし
友達かも
しんねーし
元彼かも
しんねーけど・・。
舌うちはやめて
小さく
溜息をつき
俺は
荷物を持って
駐車場へと向かった
まだ電話中の
寺田の横を通り過ぎ
自分の車の
ドアを開けると
寺田は電話が終わったようで
俺に話しかけてきた
「わりーな
どした?」
「あ、いや
なんもねー」
「なんだよ
機嫌悪いな」
「悪くねーよ」
「はいはい」
「なんだよ
その言い方」
「早く機嫌なおせって
彼女、来たぞ」
「え?」
急いで
寺田の視線の先に
目をやると
彼女は
電話が終わったようで
小走りで
こっちに向かってきていた
そう・・だよな
意味もわかんねーことに
嫉妬しても
しょうがねぇ・・よな。
「寺田」
「ん?」
「いい子だと思うか?」
彼女を見ながら
俺は
寺田に質問をした
「あぁ
お前の
ドストライクだろ?
いい子に見えるよ
俺には」
「そうか」
「頑張れよ」
「横取りすんなよ?」
「するか、バカ」