手探りな絶望
第6章 溺愛
「冬実」
「?」
「俺のどこが好き?」
「え?」
急な質問に
冬実は戸惑う顔を見せた
「俺はね・・」
そう言いながら
冬実の
すぐそばに
体を近づけ
冬実の髪に触れた
「冬実の
穏やかな性格も
家庭的なとこも
小さな声も
白い肌も
照れて笑う仕草も
・・・・
やべぇ
全部好き(笑)」
「そんな・・」
「ほんとだよ」
冬実は
好きだなんて
ほとんど
口にはしないが
俺は
今も
今までも
惜しげもなく
言葉にしていた
「・・ありがとう・・」
冬実が
少し
目を潤ませ
俺の目をみた
「好きって・・」
「・・・・」
「言ってくれよ・・」
優しく
触れるだけの
キスをして
もう一度
冬実を見つめると
冬実が
目を閉じた
俺は
ほんの数ミリ
唇を開けて
顔の角度を変え
きて・・
そう言っているように
見える冬実の
唇に唇を重ねようとした
その時
冬実の
小さな声が聞こえた
「どうしよう・・」
え?・・
「もっと・・・」
もっと?
「好きに・・なっちゃう・・」