手探りな絶望
第12章 愛情
「冬実…元気ないわね
どうしたの?」
お母さんは
私が笑顔なのに
そんなことを言った
「何言ってんの?
笑ってるじゃない」
あれから
私は仕事をしていなくて
毎日のように
お母さんの所に来ていた
「笑ってないわ
……あの時の千夏みたい…」
「お母さん……」
お母さんの言いたいことは
分かっていた
お姉ちゃんが
死んでしまう前
確かに笑っていなかった
ううん
顔は
笑っていたけど
泣いていた
元気が無いのは
分かってた
でも
まだ小学生の私に
その理由や
どれほど
お姉ちゃんが苦しかったかなんて
わからなかった
「冬実には
隠し事しないでほしいの
お願いよ、冬実…」
お姉ちゃんは
何も言わないで
いっちゃったもんね
お母さん