手探りな絶望
第14章 周平
翌朝
寺田との
約束の時間に
俺の目は覚めていた
いや
起きていたんだ
ずっと
眠れなくて
布団にもぐりこんだまま
俺は
寺田の足音を
待っていた
来るなと
言ったけど
来て欲しいと思う
俺もいたんだ
そして
丁度約束の時間
寺田は玄関のドアを叩いた
しばらく
ほっておくと
渡してある鍵で
勝手にドアをあけ
どかどかと
部屋に入ってきた
「な~に~~~?!!
お前、まだ
寝てんのかよ!!
さっさと
起きろ、行くぞっ」
そう言って
布団をはぎとられ
わざと
眠そうな顔をして
寺田を見ると
寺田は
普段着をきていた
「・・・?」
不思議に思う俺の表情に
気付いたはずなのに
寺田は
黙ったまま
勝手に引き出しから
服を引っ張り出し
俺に投げつけた
「これ、着ろ」
「・・・」
「時間ねーから
さっさとしろっつーの」
「・・分かった」