手探りな絶望
第15章 謝罪
その時だった
寺田が
大声をあげたんだ
「あ~~!!!!!」
「わっ、な、なんだよ!」
「ふ!ふ!ふゆみっ!!」
「え?!ど、どこ・・」
慌てて
寺田の視線の先に
目をやると
病院から出てきた
冬実が
駐車場ではなく
バス停の方へと
歩いて行く姿が見えた
「い、行けっ!
早く!周平!!」
「わ、わかった!」
俺は
勢いよく車を飛び出し
冬実の背中を追いかけた
短い髪
眼鏡
白い肌
恥ずかしがると
赤く染まる首
俺が
口元に耳を寄せないと
聞こえない
小さな声
冬実・・・
・・・冬実
「冬実っ!!」