手探りな絶望
第18章 嫉妬
「ち、違うの」
「ダメだよ冬実
こーゆーのは
ハッキリ言わねーと
男は勘違いすんだから
言いづらいとか
そーゆーの
よくねぇんだ
覚えとけよ?
冬実は…
ハッキリ
言えないタイプなんだから…
なんでも
恥ずかしがって
言わねーんだから…
だから…
引きずるんだから…」
「周平さん」
「そうだ
そうだよな
アドレス…消すよ
そしたら
安心するよな?」
そう言って
俺は
携帯を取り出し
冬実のアドレスを画面に
出そうとした
「待って…」
「ん?」
「メール…」
「メール…?」
「送ってもいい?」
久しぶりに
冬実が
真っ直ぐ俺を見つめた
潤んだ瞳が
愛おしいと思った
「あぁ」
そして
俺の携帯が震えて
冬実のメールが届いたことを
知らせた