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手探りな絶望

第18章 嫉妬



俺は
携帯の画面をオフにして

冬実の手を
握りしめた


そして
赤く染まった
冬実の頬に触れて
唇を耳元に近づけ
直接
メールの返事をした


「してないよ」


「……」


「どうなるか
分からないけど

うまく
いかないかも
しれないけど

あきらめるとか
やっぱり
できないよ


後悔したくないんだ


だから


もう一度
俺の恋人に
なってくれないか、冬実」




冬実は
黙ったまま
うなずき


静かに
目を閉じた



そして俺は
優しく
冬実に
くちづけをした



柴田さんが
見ていませんようにと
心の中で
思いながら

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