手探りな絶望
第4章 野球
それから
俺は
佐々木冬実に
メールを打ちはじめた
今日は
楽しかったと
メールを打てばいいのか
また
一緒に飯でも…とか
打てばいいのか
俺は
佐々木冬実に対する
半端ない意識が
恋愛感情なのか
ただの
好奇心なのか
はっきりせず
文面に悩んだ
でも
また
会いたいと思う気持ちに
間違いはねぇよな…。
ほんじゃ
こんな感じで
『今日は楽しかったよ
風邪引かないようにね』
なんとも
冴えないメールだけど
最初から
がっつくのも
引かれそうで
そんなメールを送った
すると
すぐに返信がきた
『私も楽しかったし
とっても美味しかったです
ごちそうさまでした』
返信の早さから
嫌がられては無いと
俺はよみ
またすぐに返信をした
『あの2万円
まだいっぱい残ってるから
よかったらまた
飯とか誘ってもいいかな』
『ありがとうございます
でも、次は
割り勘でお願いします』
『あれは、返してもらうつもり
なかったものだから
とりあえず
可愛い封筒の中が
からっぽになるまでは
そこから払うよ
からっぽになったら
佐々木さん
あの日のこと
忘れられそうな気がするし』
『そう
なりたいです
本当に
ありがとうございます』