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Die Seele

第1章 錆びた標識

朝見ると人間の存在を感じる。


お昼に見ると日常の景色にかき消されてしまう。


夕方には寂しい様な切ない様な、でもそれでいてどこか、懐かしい気持ちにさせる。


でも夜に見ると一変して漠然とした恐怖を感じる。














なぜああも無機質な鉄の塊に複雑な感情にさせられるのだろう。


ひょっとしたら過去の私の中に強い思い入れがあるのかもしれない。
















私の過去に何があったのだろう。


何も思い浮かばない。


でも、なぜか、あれを見るともやもやと何かが渦巻く。











今日も私はあれを見る。


自分に足りない何かが埋め合わされそうな気がして…

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