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ワタシの履歴

第13章 無心〔二〕

別れ話を電話でした時、幹雄はすがってきた。

でも私は有無を言わさず、彼を切り捨てた。

私に少し情でもあれば、5回目の行為も許せただろうし、すがってきた事にも胸を痛めただろうが、私にはそれが全く無かった。

ただ、愛情の無いHを続けてきた事で、前よりも大きな虚しさが心の中に居座っていた。



1月入ってすぐに別れた優介とは、1年3ヶ月付き合って別れた。

でも私は1週間もすれば平気になっていたつもりだった。

でも、真面目に付き合おうとせず、まともにスキな人も出来なかった私は、今思うとすごく寂しかったんだろう。

寂しさは身体で埋めようと、無意識にしていたのだろうか…

だからと言って、人を傷つけていいという事にはならない。

『無心』でしたHは、好意があったからしたという相手を、たくさん傷つける。

そしていつかそれに気づいた時、自分も自己嫌悪に陥る。
今、思い出しながら書いているこの時も、申し訳無い気持ちと、自己嫌悪だ。


この頃は、そんな事は全く気づいていなかった。


彼氏が隼人だけになった4月中旬、私は中学時代の同級生と再会をした。

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