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ワタシの履歴

第15章 不信

この頃、私は隼人の事は信用してきていた。

まだ、『スキな人』にはなっていなかったが、『気になる人』にはなっていた。

だから、武の家に行く事は、前もって話してあった。

そして、武の家であった事…お風呂に入ると言って出ていき、戻ってきたら襲われた…なんとか逃げたが、間際に仲間らしき人が来て危なかった…
と、話した。

隼人は、あぐらをかいて下を向き、私の話す言葉をうなずきながら無言で聞いていた。


話し終わると、少しの沈黙のあと、隼人は顔を上げた。

腹を立てているのが分かる。

でも、目には、うっすら涙が浮かんでいた。

そして、口を開く。

「ヤられなくて本当に良かった…ヤツはムカつくけど、輝子が無事だったのは本当に…」

そう言って、私をきつく抱き締めた。

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