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ワタシの履歴

第23章 痕(あと)

夜7時頃、家のチャイムが鳴り、ママが出る。

『パパかな?』


部屋のドアが開くと、龍平が入ってきた。

私は怖くて悲しくて、丸まって布団を被った。


「ゴメン輝子…何も考えてなくて…」

「…」

「お腹、まだ痛いのか?」

「痛いよ…生理痛なんかよりずっと」

「そっか…大丈夫?」

「…」

「風呂は入れるの?」

「…まだ。明日病院行ってから…」

「そっか…ゴメンな。無神経だった…」

私は顔を出して、涙目で龍平を睨んだ。

「ホントごめん」

そう言って頭を下げる龍平。



私は泣いた。



今まで我慢していた分も。


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