テキストサイズ

ワタシの履歴

第24章 嘘

そしてGWになり、恵と会う日、夫は実家から送ってくれて、21時には迎えに来る。

それまで、恵の家で家飲みをした。

恵のお父さんに、久しぶりの挨拶をし、恵の部屋へ。

飲みが始まり、1缶を空けた頃、恵が言った。

「ねぇ、左手首はもう大丈夫なの?」

「左手首?…あぁ、もう平気」

「それ、捻挫じゃなかったんじゃない?」

「…うん…はは(笑)」

「やっぱりな…見せて。…大丈夫?辛かったんじゃない?」

傷跡を見て、悲しそうな顔で言う恵。

「うん…まぁ…でも今はまだ何とか平気!相変わらずパチスロはやめてくれないけど…でも前程バカな借り方はしてないから」

「…そっか。今度は、自分傷つける前に電話してよね?」

「そうだね…ありがと!」

恵には、少しは話していた。

借金の事や暴力があった事。

でも、リストカットした事は、【捻挫】と嘘をついて、切ったなんて言えなかった。

恵が悲しむ事が分かっていたから…

ストーリーメニュー

TOPTOPへ