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ワタシの履歴

第32章 本音

そうは思っていても、初めてやる事ばかりで戸惑いはあった。

旅館での仕事、そこでの住み込み、冬に籠る事。

大好きなスノーボードの為とはいえ、不安だった。

私は、慶太に止められたくなかったのかもしれない。

止められたら、行くは行くにしろ、決意した気持ちに不安要素が増えてしまう。

慶太との別れを、寂しく思ってしまう…

だから直前まで、慶太に言えなかったのかもしれない…


私は今でも、慶太を思い出す時がある。

その度に、あの事は『なんで慶太はあんな事したんだろう』と思い、『なんで私はそれを忘れられないんだろう』と思う。

【許す】【許さない】じゃない。

でも、その事実を【受け入れる】事が出来れば、慶太を【許す】事でもある…?

そうすれば…慶太を苦い気持ちで思い出さずに済むのかな…

そしたら、忘れる事が出来るのかな…

それは【許す】に似ている…

そんな最近、本当につい最近、彼女と結婚する事にした、とのメールがあった。
プロポーズも済ませたらしい。
でもまだ、迷ってる…だってさ。
苦笑しちゃったよ。



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