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ワタシの履歴

第35章 複雑②

そんな私の態度に、久保さんも気付いたみたいで、お互いの間に壁が出来た。

今回も1週間ほど宿に泊まっていた久保さんは、最後に私に言った。

「輝子ちゃん、本当に色々ありがとうね。ボードもすごくためになったし、blogだけじゃなくてリアルに出逢えて良かったよ」

「いぃえ、こちらこそ楽しかったよ」

「シーズン残り半分になっちゃったけど、怪我に気をつけて頑張ってね」

「ありがとう!お互いにね!」

こうして、告白の事は触れずに、お互い笑顔でお別れをした。

これが大人なのかな、と思った。

突きつめる事をせず、相手の様子を感じて察する。

だから、今後はもう、会う事は無いだろう…

私が男としての久保さんを、拒否している態度を見せていたから。

ちょっと変な人だったけど、悪い人では無かった。


態度に出した事は、結局彼を傷つけてしまったろうか…

『言わなきゃ良かった…』

と、思わせてしまったろうか…

断っても、変わらずに接した方が良かったか…

でもこれはきっと、相手次第なのだろう。

そうしてほしい人もいれば、ダメなら諦められるように冷たくしてくれという人もいる。

結局、何が相手にとって良かったかなんて分からない。でも、どうする事がいいのかを考えてした行動は、例えそれが相手にとって悪かった行動だったとしても、相手の気持ちを考えずに自分の気持ちだけで行動する事より、ずっといい。

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