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ワタシの履歴

第49章 東くん…【彼の言葉】

最後に…お酒がまわったのか、泣いてしまった私




『輝子…どうしたの?…輝子…』




『困らせるから…言えない』





『言って』と何度も言う彼



『…困らせたくない…嫌われたくない…だから言えない…』





『困らせろ、オレなんて。少しくらい、困らせた方がいいんだよ…

輝子は優しすぎる…言って?嫌いになんかならないよ…』




『…言えない』とそれでも言う私




『言ったら最後になるの?』




『違う』





『困るかどうかなんてわからないじゃん。言って?』






『・・・・・・・・・困らせたくない。でも、もうツライ…

つきあう事になったって、彼女に言えないの?…』



『…ん・・・・・・』





『ごめん、忘れて?なんでもない。気にしないで?』





私を抱きしめる彼








結局…言えるかは聞いてないけど…






     俺なんて少し困らせろ







その言葉に、彼の気持ちが分かる気がする…






私を傷つけている…



私を悲しませている…



私を悩ませている…



私を苦しめている…




私をたくさん、泣かせている…






それに対して、彼は悪いと思っている…






でも






その言葉には、彼の苦悩も感じる…





どんな苦悩なのか、詳しくは分からない…




彼女もスキで、私もスキだという苦悩なのか


私の事が好きで、彼女はキライじゃないけど捨てられないという苦悩なのか






もう…考えたくないよ…






彼の言葉に…






悩んで…






疑って…







涙して…








泣き叫びながら


『早く彼女と別れてよ!!臆病者!!うそつき!!』



と言えたら、どんなに楽だろう…






言ったら、その先の二人の道は…ナイけど…






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