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好きになっちゃだめッ!!

第9章 黒い影

***


あれから数日が経った。


私は専属を他のメイドに交代してもらい、またいつも通りの日々を過ごしていた。


「なぁなぁ〜いつ仲直りすんねん」


ごろごろとベットを転がる朱里。

『仲直りって…別に喧嘩したわけじゃないし…』


「なに言ってんねん!!誰の目から見ても様子がおかしいことぐらい分かるわッ!!」


肩を持たれてブンブンと揺さぶられる。


「せっかくええ感じやったのに、何をうだうだうだうだしとんじゃーッ」


『そ、そんな吠えないでよ…それに別に何もないんだからっ!!』


グイッと反対方向を向いて準備を始める。


「ふ〜ん…少なくともセナ様は何もないわけないと思うけどなー…」


背中に突き刺さる視線が痛い。


『……っ……じゃっ!!私出掛けるからッ!!』


そんな視線が堪えられなくて逃げるように部屋を出ようとする。


「もうちょい自分の気持ちに正直になった方がええでー」


そんな朱里の言葉を聞きながら。



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