秘密の恋。
第9章 それぞれの想い
会話の無いまま事務所に着いた。
友香は本社に戻ってきたことを連絡し、電話の転送を解除した。
二人しかいない事務所に少しだけ気まずい沈黙が流れる。
…と、そこへ電話が鳴った。
(工事か?!)
木村は立ち上がりかけた。工事の依頼なら出掛けられる。今はなんとなく、友香と二人きりの空間から逃げたかった。
しかしそれは排水溝掃除の契約が取れたという報告だった。掃除だけなら契約をとった営業員が自分で行う。工務の出番は無い。
(工事が入らねぇかなぁ…)
友香はパソコンを立ち上げて仕事を再開していた。
(そうだ、俺も午前中の工事の施工記録を書かなきゃ…)
木村も自分の机に戻り、書き物を始めた。
友香は本社に戻ってきたことを連絡し、電話の転送を解除した。
二人しかいない事務所に少しだけ気まずい沈黙が流れる。
…と、そこへ電話が鳴った。
(工事か?!)
木村は立ち上がりかけた。工事の依頼なら出掛けられる。今はなんとなく、友香と二人きりの空間から逃げたかった。
しかしそれは排水溝掃除の契約が取れたという報告だった。掃除だけなら契約をとった営業員が自分で行う。工務の出番は無い。
(工事が入らねぇかなぁ…)
友香はパソコンを立ち上げて仕事を再開していた。
(そうだ、俺も午前中の工事の施工記録を書かなきゃ…)
木村も自分の机に戻り、書き物を始めた。