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翌朝。不安と期待を感じつつ出勤した友香は、朝礼後、いきなりガラの悪い営業マンに高圧的な態度で「仮払い」を要求されて戸惑うハメになった。
ちなみに、仮払いというのは会社が作った給与前借りシステムである。営業員の給与は一部の例外を除き基本給無しの完全歩合制で「月末締め翌月15日払い」となっているが、自分でとってきた契約が無事に集金完了したら、翌日、1件につき5千円まで、会社から給与の前借りが出来るシステムなのだ。

(そりゃ会社が作ったシステムを利用して給与を前借りするんだから、それは別にいいよ。だからって、物には言い方ってものがあるでしょ？私が年下で女だからってバカにしてるのかしら。やたら高圧的な言い方が腹立つわ！！)
友香はイライラしながらも、会社の金庫からお金を出し、出金伝票を書いて処理をした。仮払いは、その後、立て続けに３人から申請を受けて金を出した。
皆が現場へと出ていき、静かになった事務所で、現金出納帳をつけ、前日の契約書を見ながら仕訳帳もつけていく。さらに、各営業員ごとに給与計算の為の集金額や仮払いの総額などの記録と計算…。