秘密の恋。
第12章 寺嶋友香
営業たちが外回りに出ていくと、事務所内は静かになった。
いつも通りに仕事をこなそうとする友香だが、どうにも身が入らない。
木村が地元営業所のほうへ戻ってて居ない、という状況は別に初めてではなかった。以前にもあったが、以前は別にどうということもなかった。しかし、何故か今日は、仕事に集中出来ず、木村のことばかりを思い出してしまう。
電卓の打ち間違いなど、単純なミスが目立つ。
(はぁ…個人的な感情を仕事に持ち込んじゃ駄目だ!気合い入れないと!)
誰もいない事務所なら見られる心配もない。恥ずかしがる必要はない。
友香はおもむろに立ち上がり、左手を腰に、右手は握りこぶしを作って斜め上に突きだし、軽く膝を曲げて準備をした。
「えい、えい、おぉー!!」
腹から声を出し、精一杯の「えいえいおー」である。少しだけ元気が出たような気がした。
2、3回続けて「えいえいおー」をやると、だいぶ元気が出てきた。
「よっしゃあ!さぁ、頑張ろ~!」
誰も居ない事務所で、一人で大きな声を出す友香。パンパンっと両手で頬を叩く。
「よしっ、やるぞ!やるぞやるぞぉ~!さぁ、何からやろ?やっぱり体動かすことからやろ!掃除、掃除~♪」
立ち上がったその勢いのまま、掃除用具入れから箒を取りだし、事務所の掃除を始めた。
いつも通りに仕事をこなそうとする友香だが、どうにも身が入らない。
木村が地元営業所のほうへ戻ってて居ない、という状況は別に初めてではなかった。以前にもあったが、以前は別にどうということもなかった。しかし、何故か今日は、仕事に集中出来ず、木村のことばかりを思い出してしまう。
電卓の打ち間違いなど、単純なミスが目立つ。
(はぁ…個人的な感情を仕事に持ち込んじゃ駄目だ!気合い入れないと!)
誰もいない事務所なら見られる心配もない。恥ずかしがる必要はない。
友香はおもむろに立ち上がり、左手を腰に、右手は握りこぶしを作って斜め上に突きだし、軽く膝を曲げて準備をした。
「えい、えい、おぉー!!」
腹から声を出し、精一杯の「えいえいおー」である。少しだけ元気が出たような気がした。
2、3回続けて「えいえいおー」をやると、だいぶ元気が出てきた。
「よっしゃあ!さぁ、頑張ろ~!」
誰も居ない事務所で、一人で大きな声を出す友香。パンパンっと両手で頬を叩く。
「よしっ、やるぞ!やるぞやるぞぉ~!さぁ、何からやろ?やっぱり体動かすことからやろ!掃除、掃除~♪」
立ち上がったその勢いのまま、掃除用具入れから箒を取りだし、事務所の掃除を始めた。