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顧みすれば

第2章 会社員 佐々木亜美

「おねえさん、あんまり飲みすぎちゃダメだよ。
 あと、今日はいきなり降りるのもやめてね」

 私はビックリしてルームミラーの運転手の顔を凝視した
なぜ、知ってる?!
私の顔にいろいろ書いてあるのか
運転手は楽しげに話し出す。

「いやね、私も運転手やって長いから大抵のことは見ぬふりできるんだけどね。まさか、山下商事の御曹司相手にくだらねぇ男よばわりして突き飛ばして逃げてく夜の女なんか見たことないからね。
さすがに昨日の美人と同じ人だとは思わなかったが、どんなに化粧しても瞳と声は変えられないからね。」

私は運転手から目が離せずにいた
そして、聞き捨てならない言葉

「や、山下商事の御曹司?!」

「は?おねえさん、知らなかったのかい?あの放蕩息子は俺たちの世界でも有名だよ。あんまりいい噂聞かないけどさ」

「うそ‥:私とんでもない相手を怒らせた?!」

このプロジェクトのキーマンじゃないの!
あ、でもむこうは私がゲイバーのあみだとは思ってないから、知らぬ存ぜぬしらを切りとうそう。

それに私は直接プロジェクトに関わっている訳じゃないから会うこともないよね。

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