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顧みすれば

第19章 実力者たち

「王は彼女が妊娠しているのはご存じですか?」


「妊娠?! いや、なにも聞いていない」

王は驚きの表情を浮かべた。

「厳密に言えば、妊娠させられたということでしょう。

 問題は子宮がとても傷つけられいることです。そのせいで妊娠に耐えうる状態ではなく彼女は流産しました。

 それをきっかけに大量出血を起こしています

 それが現状です」


「うむ」


王は眉間にシワを寄せた。


「いま、輸血を行っていますが

 出血が止まらず意識障害をおこしています


 すぐに国中からA型の血液を集めてください」


「A型か。わかった。

 しかし、もともとこの国にはA型は少ない」


王は少し困った顔でいった。


「そうです。世界中からでも集めてください

 それから彼女の母上に

 子宮摘出の承諾を頂きたい。

 彼女の出血を止めるにはそれしか方法がありません」

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